虹川ルナサのブログでも分かる野球講座
第二回『野球記録(投手編)』
ルナサ(以下、ル)「と言う事で今回は野球記録・投手編の時間だ」
リリカ(以下、リ)「あれ? 今回は無駄な前置きはないの?」
ル「ん? もう一回、道頓堀に泳ぎに行きたいだって?」
リ「ひゃっほー! 野球講座だ、たっのしみー!!」
メルラン(以下、メ)「投手といえば、やっぱり防御率ね。でも、あの数値ってちょっと分かりにくいのよ」
リ「確かに。1点台とか2点台とか。率計算とは違う方法になってるよね」
ル「防御率とはその投手が一試合を投げたら何点取られるかを表す数値だ。例えば防御率1.00だったら一試合に1点、2.50だったら二試合で5点取られる事になる」
メ「なるほどぉ。でもどうやって計算するのかしら?」
ル「自責点÷(投球回÷基本イニング数)で求められる。基本イニング数は通常1試合で行うイニング数の事だ。この数値は場合によっては変わる事があるぞ」
リ「日本プロ野球なら9イニングだから9、東方野球の世界では7イニングだから7だね」
メ「ところでイニングの途中で降板した場合、投球回ってどうなるの?」
ル「アウトカウントによって1/3や2/3と表す。計算方法もそのままだ」
リ「そういえば、奪三振率も同じような数値になってるけど、同じ計算方法なのかな?」
ル「その通りだ。自責点のところを奪三振に変えればいい。12.00なら一試合に平均で12個の三振を奪える選手だと分かる」
メ「何だか目が飛び出そうなほど凄い数値ねぇ」
ル「防御率は投手の能力を単純かつ顕著に表していると言える。3点台を切っていれば優秀な投手と言えるな」
リ「でもさぁ。投手って野手より分かりにくい記録が多いよね。どうやったら貰える記録か分からないものも多いし」
メ「そうねぇ。勝利条件でさえ、先発は味方がリードした状況で5イニング以上投げ抜き、そのままリードを守って勝利する、なんて理由があるくらいだし」
ル「ちなみにリードしているにもかかわらず先発が5イニング持たずに降板すると、後続の投手で最も活躍したと思われる選手に勝利が与えられる。何とも曖昧だな」
リ「セーブの条件は中継ぎ且つ、『3点以内のリードで一イニング以上登板、2打者連続本塁打を打たれたら同点か逆転になる所で登板、リードにかかわらず3イニング以上登板』いずれかの条件を満たしてリードを保ったまま最後まで投げ抜く事だね。ややこし過ぎる」
ル「プロでも分かってない人間もいるくらいだ。ど○で○も見事に間違えていたぞ」
リ「どうでもいいよ」
メ「どんでんもいいよ?」
リ「言ってねー!! そしてわざわざ隠した意味がなくなったー!!」
ル「他にも分かりにくい記録としてホールドポイントというものがある」
メ「え~と、ルールによると『先発でない、他の投手記録(勝利、敗戦、セーブ)がつかない、1アウトを取る、自分の失点で同点もしくは逆転されない、チームの最終アウトを取った投手でない』の全てを満たした上で、セーブと同じ条件の登板をするか、同点の状況登板して相手にリードさせる事なく降板する、って書いてあるわね」
リ「や、ややこし過ぎる。こんなの誰が理解してるんだよ……」
ル「全部読んでしまうからだ。簡単に説明すると、少ない点差やピンチで登板し、逆転や勝ち越しを許さずリリーフを成功すれば、大抵はホールドがつく」
メ「物事の本質を見抜かなきゃいけないわ、リリカ」
リ「メ、メルラン姉さんに言われると何か腹立つ」
ル「最近の野球は投手の分業化が進んでいる。その為に狙える記録が決まっていると言っていい。先発なら勝利数、中継ぎならホールド、抑えならセーブという風にな」
リ「たまに先発でもないのに、馬鹿みたいに勝利数が多い選手もいるけどね」
ル「そういう成績になる選手がいるチームは大抵先発が弱い。まぁそんな例外はともかく選手毎に成績を見れば、その投手がどんな場面で登板しているか簡単に見抜く事が出来るだろう」
メ「先発や抑えと比べると、中継ぎの評価は低くなりがちだから、ホールド自体の重要性はまだ高くないかもねぇ」
リ「あ、そうだ。成績で思い出したんだけど、最近よく聞くQSって何?」
ル「クオリティスタート、先発投手への評価基準だな。6イニング以上を投げて3自責点以内に抑えると記録される」
メ「評価基準と言う事は、成績とは違うのかしら?」
ル「少なくとも日本では浸透していない言葉だな。メジャーの先発投手の評価は、勝利数よりQSの方が重視されている」
リ「確かにどれだけ点を取られても、味方がそれ以上に点を取って5回投げきれば勝利はつくしね」
メ「勝ちよりも試合を作る方が大事ってわけねぇ」
ル「その通り。打線は水物、おんぶにだっこを続ける投手はすぐに潰れる。吉良の言い分は認められないわけだ」
リ「なんて分かりにくい野球ネタだ……」
メ「東方的に吉良と言ったら第四部だしね」
リ「違う。それは私が言いたかった事じゃない」
ル「それじゃあ今回のおさらいとして問題を出そう。自チームは初回から大量点を取りリードしながらも先発A投手が怪我で4回2失点で降板、2番手のB投手は準備不足か1回を5失点、それでもリードしたまま3番手のC投手へ繋ぐ。そこからC投手が素晴らしい投球で3回をパーフェクトに抑える。9回5点差でD投手が登板。しかしツーアウトまで漕ぎ着けるものの満塁とされる。ここでクローザーのE投手が登板。そのまま打者一人を抑え5点差のまま逃げ切り勝利した。この場合、それぞれの投手の勝利、ホールド、セーブの内訳はどうなる?」
リ「長っ! 読むだけで疲れるよ」
メ「え~と、勝利条件があれだから……」
ル「答え合わせは次回の『野球記録(余談編)』で行うぞ」
リ「まだ続くんだ……」
メ「野球に詳しい人は私達の代わりに答えてみてね」
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